2013年8月17日土曜日

8/4/2013 Jerry Day @ Jerry Garcia Amphitheater - 8/15/2013 Very Jerry @ Ashkenaz



今日8月17日。
朝、山口冨士夫さんが亡くなったことを知った。
米人兵士の喧嘩の仲裁に入ったところ、とばっちりを食らって突き飛ばされて頭を打ったと。
それにしてもすごいなー。死にざまにも生きざまが現れている。

冨士夫さんの普段の人となりは実際には知らない。なので音でのみ知る人だった。
でも、さんざん聞いた彼の音楽からこちらが勝手にくみとってしまったヴァイブのようなものがある。
音がモノを言って、それを信じてもう20年近く。
彼のギターの音のおかげで、こちらの人生が大幅にブレた。笑

でも冨士夫さんと自分との間には向こうからこっちへの一方通行な関係であったかというと、そうではなかったと信じている。
僕のようなやつが自分の音楽をどこかで楽しんでいるのを彼は知っていたとはずだし、また知ることができるような深い人だったと思う。
そういう意味では実際に会ったりできずとも、コミュニケーションは十分とれているわけで、同じ時代に同じ空気を吸えたということ自体が幸せだったというべきかもしれない。

音に対して感情のレベルで向き合うこと。
それは僕にとっては「祈り」のようなものだ。
それほどシリアスなものでもないけど。
いまいちど、こころを空っぽにして静かに冨士夫さんのギターを聞いてみる。
なにが見えてくるか?どんな気持ちになるか?
言葉を交さずとも、音でコミュニケーションができるってのは素晴らしいなーと思う。
むしろ音から伝わることってのは言葉で伝わることより多い。

冨士夫さんが生きていようが亡くなろうが、彼のヴァイブはいつまでたっても僕の中で生き続ける。
お疲れさまでした。ありがとう、冨士夫さん。
合掌。



昔職場の同僚に、「うちはジェリーガルシアを祭壇にかざって祀ってるんですよ」と言って、眉をしかめられたことがある。
なんら不思議なことでもないようにも思うが、「ジェリー祭壇」こそないにしろキモックの写真が壁にかけてかざってあったりする。
デッドヘッズの家に行くとたいていジェリーの写真の他にもデッドのメンバーの写真、コンサートポスターがあちこちにかけてあることが多い。
なぜか?
グッドヴァイブを感じていたいから。

ジェリーの誕生日の8月1日と命日の9日の間の9日間は、Days Betweenと言われているらしい。
good vibeを感じていたいデッドヘッズ達にとっては特別な9日間で、サンフランシスコ周辺ではジェリー関連のイベントが毎晩あちこちで催される。
みんなJerryを未だにとても強く想っているのを一年の間で一番強く感じるのが、この時期。

毎年Jerry Dayはサンフランシスコはかなり南、デイリーシティーに近い丘の上にあるJerry Garcia Amphitheaterで開かれる。
Facebookで知ったのだが、最近ジェリーガルシア アンフィシアターがLavitte Pavilionという名前に変わるというので反対運動が起こっている。
そりゃ無理もない。どうなるんだろう…


とにかく今年のJerry DayはメンツがGarrin Benfield, Lonesome Locomotive, Stu Allen & the Mars Hotel, Melvin Seals and JGB。
いつも通り無料。
会場はかなり不便な場所にあるにも関わらず、"We are Everywhere" デッドヘッズ達が大量に集った。
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これも多くの人のジェリーへの想いへの結実の証拠だ。
フリーのイベントで、なにも特別にカネが絡んでもいない。集まりたい人だけが集まる。
それだけの磁力がジェリーにはいまだにある。


自分が見ることができたのは結局Melvinのバンドだけなのだけれど、Jerryのヴァイブがそこにはあった。
誰もが彼の音楽を楽しんでいた、それは彼がもうこの世に存在しないという事実は関係がない。
彼の音楽そこにあり、ジェリーのスピリットがこれだけ多くの人々の中に息づいている。
楽しいことが大好きで、楽しむためならなんでもするようなクレイジーな人たち。


ちょうどお盆の15日にはAshkenazでVery Jerry 3が開かれた。
Ashkenazのベネフィット。
先日書いたこの全く無愛想なノンプロフィットの会場のベネフィット。
色々なミュージシャンがジェリー、グレイトフルデッド関係の曲を演奏する。
集まったミュージシャンは僕が知ってたのはDavid Nelson, Henry Kaiser, John Crosby, David Gans。
今見てみたらFacebookにDavid Gansがセットリストをのせていたので、それをここにもはらせてもらいます。

HOUSE BAND:
Joshua Raoul Brody - keyboards
Steve Kirk - guitar
Dave Jess - bass
Eddie Berman - drums

David Gans
Terrapin->
Attics of My Life
Row Jimmy

Sycamore Slough String Band:
Shakedown Street->
Promised Land
Ship of Fools
New Speedway Boogie

Jason Crosby w/ Sycamore Slough String Band:
Lazy River Road
Dire Wolf

Joe Burke:
Iko Iko

David Nelson:
Oh Babe It Ain’t No Lie
Friend of the Devil->
The Wheel

Henry Kaiser w/ Shawn Persinger
West LA Fadeaway
Nobody’s Fault But Mine
Viola Lee->Clementine->Viola Lee

Bob Bralove
He's Gone

Jeff Pehrson w/ Matt Twain, Mike Sugar
Friend of the Devil
Deep Elem Blues
When Push Comes to Shove

James Nash
So What
Willie and the Hand Jive
Scarlet Begonias

J Raoul Brody
Edward (The Mad Shirt Grinder)
Deal

Jenny Kerr and Phil Milner
Casey Jones
I Know You Rider

Finale:
US Blues


結構遅い時間までいたとおもってたけど、僕がいたのはPromised Land - Viola Leeまでだから、このイベントおそーくまで続いたみたいです。
どのバンドも企画もので肩の力が抜けたリラックスした感じの演奏。
がっつり完璧な演奏を聞かせてもらうのもいいけど、こういうのがあってもいいなー。
こちらもリラックスして聞いていられるので。
いいなーと思ったのは、Jason CrosbyのLazy River Road。テクニカルディフィカルティか彼のギターの音が聞こえにくかったけど。
いい声でした。それぞれの曲のよさを伝えるにはこう演奏すればよい、っていうのを知っている人です。巧いか下手かというレベルをこえて。

今年のJerry関連のイベントはこれまで。

2013年7月31日水曜日

07/30/2013 Randy Craig's Trip @ Cafe Trieste


毎月最終週の火曜日。おなじみのこのカフェでのギグ。
毎回おなじみの曲を演奏してくれるんだけど、やっぱり楽しい。
レパートリーはジャズスタンダードとRandyさんのオリジナル曲。

Randy Craigさんはすごい。
ピアニストとしての腕も確かなのだけども、このオリジナルがとてもいい。
インスタントにクラシックになるような、深みがあってとても趣味がいい。

どういう人なんだろうと思って調べてみると、この人もともとはサンフランシスコ マイムトゥループ(Mime Troupe)出身のミュージシャン/ アクター。
Wikiによるとマイムトゥループはサンフランシスコ周辺のあちこちの公園で毎年無料で政治風刺の演劇をする集団。
http://www.sfmt.org/index.php
1959年にR. G. Davisという人によって創設され、メンバーの中には若きBill Grahamも在籍した。
マイムトゥループと60年代のヒッピーのムーブメントはとても密接な関わりがあったというのをどこかの本で読んだ気がする。
いつかRandyさんに当時の事を聞いてみたいなー。

Randy Craig, piano
Terry Haggerty, guitar
Mark Petrella, bass
Peter Tucker, drums
Danielle Thys and Katie Guthorn, vocals

2013年7月29日月曜日

07/28/2013 The Terrapin Family Band w/ Bill Kirchen @ Terrapin Crossroads

最近Terrapin Crossroadsは日曜日はほとんど毎週12時半からサンデーブランチで、The Terrapin Family Bandが演奏しているようだ。 
普通にランチって言ってもいい時間だけど、ブランチ(ブレックファスト+ランチ)ってのは、面白い。
土曜の夜に「ワンモアサタデーナイト」だった人達には、ちょうどいい感じに目が覚めはじめる頃だからか。。。 
Bob WeirのSweetwaterも同じ事をやっている。 

元Commander CodyのBill Kirchenがゲストで面白いなと思って、大遅刻はしましたが行ってきました。 



Terrapin Family BandというのはPhilの息子、Brian(Mandolin, Guitar, Vocal)とGrahame(Guitar, Vocal)の二人を中心としたTerrapin Crossroadsのハウスバンド。 
たまーにお父さんも一緒に演奏する。 
この息子二人のボーカルハーモニーが実にいい。多分まだ学生さんだと思うが、偉大なお父さんのおかげでミュージシャンとして恵まれた環境にあると思う。 
ちなみに二人の顔はそっくりで見分けがつきません。 
どうであれ事前にPhilが演奏するというアナウンスがない限り、たとえPhilがジョインしたとしても、タダでいい演奏を聴かせてくれる。 
もちろん何かオーダーすればお金はかかるけど。 
何もオーダーしなくても何も言われない。ほとんどはそういう客ばかり。 

どんな曲を演奏してただろう。Bob Dylan, Neil Young, Grateful Deadあたりのカバー。 
あとオリジナルも数曲 

今回はBill Kirchenがゲスト。 
骨太なカントリー、ロカビリーテレキャス。 
かっこよかったねー。 
気難しそうな白髪のやせたおじいさんだけど、音に狂いは1ミリもなかったです。 
テレキャスの教科書のようなサウンド、一点の歪みもないクリアーでパッリパリなサウンド。 
「次はこれやるけど」っていうフィルの息子に、「あぁ、なんでもいいよ」って答えるBill。かっこよかったなー。 


Fur Peace Ranchで何人もの人がBill Kirchenを絶賛していて、どんな音を出す人だろうと思っていたけど、ほとんどイメージどおりの人でした。 
一直線で美しい竹を割ったかのような、そんな音でした。

07/20/2013 Zigaboo Modeliste, Tea Leaf Green @ New Parish

人間国宝ドラマーZigabooのギグ。 
相変わらず最高。 


 


 ステージ上のミュージシャンが全員うまいっていうのは、安心して聞いていられて本当に気持ちがいいです。 
メンバーは以前と変わらず。 
 

Zigaboo Modelisteは言わずと知れたThe Metersのオリジナルドラマー。 
The MetersのオリジナルメンバーはArt Neville, George Porter Jr, Leo Nocentelli, Zigaboo Modelisteというニューオリーンズ出の鉄壁のリズム4人組。 
1965年に結成で、Zigabooは1948年生まれだから、バンド結成時彼は16、17歳だったことになる。 
10代の若者があのCissy Stratの唯一無二なグルーブをたたきだしていたとは...まったく脅威としか言いようがない。 
この前も久しぶりにMetersの古いアルバムを聞いたんだけど、Leoの独特な空気感のギターと、Zigabooの変なところでスネアが入るドラムは、未だに際立ってユニークだと思った。 
ショーでこのリズムを聴くと、一気に雰囲気が「祝祭モード」になる。 

Oakland在住のZigabooさん。New Orleansから遠く離れても、あの祝祭リズムに衰えは全くない。 


これ、すごくいいビデオだなー。 
ドラマーじゃないけどこれ欲しい。。。 


Tea Leaf Green。 
8年くらい前に一度Fillmoreで見たときは、なんかアイドルジャムバンドみたいな感じで、恐ろしく軽くて全然好きだと思わなかった。 
2005年にSKBが散けて、ベースのReed MathisがTea Leaf Greenに入ったと言う噂を聞いた。 
ReedとJacob Fred Jass Odyssey は2006年にハイシエラで見た。素晴らしかったが、追っかけるまではいかず。 
今回はその時ぶり。 

オリジナルばかりで1セット、約2時間のステージ。 
Tea Leaf Greenはとても良かった。 

見ていたのはBassのReedとKeyboardのTrevor Garrod。 
Reedはやっぱりすごい。 
 
ベースなのだけど、普通なバンドのいわゆる「ベース」としては全然機能しておらず、ギターのようにメロディーを紡ぐ楽器としてファンクションしているのがGrateful DeadのPhilの立ち位置と似ている。 
彼はもとはギタリストじゃなかったかなと思う。シンセベースで高音でソロを弾くのもギタリストの名残っぽい。 
 
あと先月Everyone OrchestraでもプレイしていたTrevor Garrodがとてもいい仕事をしていた。 
こなれた感じで、グイグイと曲、客ともに引っぱっていく感じが単純にすごいなと思った。 
Wikiによるとこの二人はオリジナルメンバーではないとの事なので、いい意味でここ数年で化けてきたんだと思う。 


メンバーの歳のせいもあるだろうけど、変にユニークに感じられた。 
ルーツの匂いがとても薄い。 
リスペクトがないというのではなく、ルーツを完全に消化し、それを彼ら自身の言語でして表現している感じ。 
普段ほとんどが平均すると60歳以上のミュージシャン達を見てばかりいるせいだろうか… なんか軽く感じた。 
おもしろいなーと思った。僕の耳が歳をとっているんだろう。

07/14/2013 Linda Imperial Band @ The San Rafael Elks Club

オープニングアクトとして、David Gans。
器用な人だ。








KPFAというベイエリアのラジオ局で水曜8時からDead to the Worldという番組がある。
http://www.kpfa.org/archive/show/80

そのラジオのDJがこのデイヴィッドガンズ。色々と昔からデッド研究家みたいな顔で知られてきているようだが、こちらで今David Gansは?と聞かれるとたいていの人はSycamore Slough String Bandの人か、Dead to the Worldの人と答えると思う。
何度も彼のソロギグを見たが、デッドのいいジャムの部分を抽出したようなジャムをルーパーを使って器用にこなす素晴らしいミュージシャンだと思う。
あなたがデッドマニアならにやりとできると思う。
見た目からして研究肌な感じの人なので、ワイルドなデッドファンには単に「オタクな人」で終わってしまいそうな感じもあるが...
振り幅の激しいデッドファンの中でもとてもいい立ち位置にいる人だと思う。ラッキーな。


今回のLinda Imperial Bandはその名の通りLinda Imperial(元Jefferson Starship)のバンドで、夫のDavid Freibergも一緒のステージだった。
サウンドとステージ周りをやっているトーマスが見に来ないかと言うので、行ってきた。
全く知らないバンドだったが、とても楽しかった。
ブルーズを基調としたオリジナルに、QuicksilverのFresh Air, Pride of Man。Jefferson StarshipのJane、Grateful DeadからLoser等のカバー。

とても良かったのだけど、その日はとても暑かった。
しかも会場がSan Rafaelのフラタニティー施設の中庭で、正直「ロックショー」を見るにはとりわけ最低な環境だった。
フラタニティーはロータリークラブのようなゆるーい同人会みたいなもので、こっちの大学にはつきもの。
この会場のフラタニティーがどのようなものかは興味がないしわかりかねるが、まぁはっきりいってクールではない。
とても白人白人したなかで、しかも炎天下。噴水があるが、なんかヨーロッパ調の彫刻みたいなのが施してあって、意味もなく腹が立った。笑
そこそこ裕福な元ヒッピー達の生ぬるい同窓会みたいな感じで、ステージが熱いわりに客は寒かった。バンドは暑い中、本当によく頑張っていた。


最後の曲Janeで圧倒的な声量を見せたDavid Freiberg。
Quicksilver Messenger Serviceではベーシストとして立ち上げからメンバーで、72年には補強ボーカルみたいな形でJefferson Airplaneに参加、Jefferson Starshipにも付き添った。あとMicky HartやRobert HunterなどGrateful Deadのメンバーのレコーディングにも参加している。
彼の顔を最初に見たのは、5-6年前、サンフランシスコはマーケットストリートの先っぽ、ジャスティンハーマンプラザでのJefferson Starshipのショー。
野外フリーショー。
人のよさそうな、くりんくりんな白髪のでっぷりとしたおじさん。
タンバリンを持って歌っていた。
眼鏡の奥に見える眼もくりんくりん。
人がいいのは解るのだが一言声をかけるのに若干勇気がいる顔をしているJormaや、としをめしても相変わらずシャープな雰囲気漂うJackなどと比べて、いかにもヒッピーハッピー感がにじみ出ている。

2009年はサマーオブラブ40周年で、この年ほどDavidの顔をよく見た年はなかった。
どこへ行ってもいるのだ。
Quicksilver、Jefferson Airplaneというサンフランシスコサウンドの二大巨頭にいたというのは、そういうこと。
どこへ行ってもタンバリンを持って、たまにアコースティックギターかきならし、ステージにいる。
そしてどちらのバンドでも2~3番手。スターは他にいるのだ。
いつも一挙一動見られているスターではなく、ほんの数曲でガッと腕を見せて客のアテンションを一瞬で独占する。
今になってはマイナーっちゃマイナーな存在ではあるが、この人なくしてこのシーンは歯抜けも同然だったんだろうなー

個人的には、正直今回Linda Imperial Bandを見るまではよく解らなかった。
タンブリンをもってコーラスする人の良さそうないかにもオールドヒッピーを体現しているような存在。
ギターもコードそのままかき鳴らすような感じで、びっくりするような事はしない。
バンドメンバーとしていなければならないけど、がっつきで見た事はなかった。


声、声量。
どちらかと言うと、大げさに言うとオペラのように底から出てくる声。
あまりロックのシーンで聞かれる声ではないように思う。特徴はその太さ。
Janeで前に出てきた時に大いに一人でガッテンしてしまった。圧倒的だった。
このDavidさんは、声が武器だった。

リンダインペリアルバンドまた見に行きたい。

Bernie Worrell Orchestra 07/05/2013 @ Moe's Alley, 07/09/2013 @ Sweetwater

去年キモックのショーを追っかけて以来、Bernieのファンになった。 
確かにTalking Headsのフィルムは今聞き直してみるとほとんどBernieの独壇場だったということがわかるし、Funkadelic-Parliamentのファウンディングメンバーだというのもすごすぎる。 
目玉が飛び出るほどのキャリアの持ち主であるというのは一目瞭然なのだが、伝説のあのBernie Worrellではなく、なにより今のBernieをちゃんと見ておきたかった。 
Bernieが主役のショーというのはどんな感じになるのか。 

Moe's Alleyに着いたのはショーの一時間前。 
The Incitersという地元のソウルバンドが一時間半くらい演奏した。 

















ギター二人、ベース、ドラム、トランペット、トロンボーン、サックスのホーンセクションに、女性ボーカルが3人、という大所帯。 
3~4分くらいのダンスナンバーを矢継ぎ早に出してくる。 
トラディッショナルなブルーズ進行を色々なリズムパターンにのっけてる感じで、単純にかっこいい。 

で、BWO。 
バンドのページによるとそもそもこのバンドのはじまりは、2011年のアルバム"Bernie Worrell Standards"のミュージシャンをそのままに、ツアーに出たのがきっかけとのこと。 
ということは2012年がほとんどKimockのサイドマンとしての仕事が多かったBernieにとっては、このバンドはほとんどニューバンドだ。 
Guitar; Kyle Cadena, Andrew Kimball, Bass; Scott Hogan, Drums; Evan Taylor, Violin; Nicole Scorson, Keyboard; Bernie Worrell。 
 

今月の初めにBWO is Landingというニューアルバムが出た。 
曲はそこからが多かったと思う。 
Come Together, Red Hot Mama, Take Me to the Riverも演ってくれた。 


一発目の最初の音からオープニングアクトとは全く違った。 
とにかくラウド。がつんと来る以上の迫力。 
隙間重視の聞き慣れたサンフランシスコ/ジャムバンド系のノリとは全く違う。 
バイオレントなまでにきらびやかに重ね塗りされた大盛りな音に完全にやられた。 

彼の真ん前で見せてもらったが、つくづくキーボードという楽器は面白いと思う。 
カシオ、Moog、クラヴィの三台。 
弾き方によっては一歩間違えば伝統楽器なエレクトリックギターや、コードが弾けない管楽器、リズムは出せるけど彩りに欠ける打楽器などと違って、制限なく何でもできる。しかもシンセだと、ボタンを押すだけでどんな楽器にでもなれる。 
 

Kimockのバンドでも、Melvin Sealsのように飽くまで伝統的なオルガンの音にこだわるKey Playerもいる。B3とレズリーがこれほど似合う人もいない。 
CheeseのKyleとのコンビネーションは最高だった。funkなKeyとKimockとの相性が合った。 
ZeroでのChip RolandのKeyはいつも控えめ。Kimockのサイドマン以上の事はしない。でも彼のツボを得たややjazzyなplay styleはいつ聞いても心地いい。 
Pete SearsのKeyはいつもピアノという印象がある。よりJazzyでスウィングしている。それよりも彼はベーシストの顔の方が印象深い。 
どうしても忘れられないのがMerl SaundersのKey。去年出たKeystoneのCDの悪意があるとしか思えないあのfunkyな音が耳にこびりついて離れない。 

話を戻すとどのKeyboard playerを見ても全く違う印象を持ちがちな中、Bernieとなるともう「人間国宝」という言葉以外思い浮かばない。 
キモックとのバンドでもよく見られたのだが、バンドが乗っている時に、鍵盤を叩きまくる姿。鍵盤楽器が打楽器化している。 
そして、突飛にわけのわからないひん曲がった音を出すセンス。お笑いに近い。 
彼以外そんな事するKeyboardistは見た事がない。 
いつも彼の音を聞くたびに、笑えてきてしまうのはどういうわけか。 

Strangerという彼のドキュメンタリーをみたのだが、もともとはクラシックのバックグラウンドを持っている人だったと思う。 
床屋かどっかでGeorge Clintonと知り合ったんだっけか。で、よりポピュラーな音楽へ入って行った。 
彼を実際に見た人なら解ると思うが、Bernieは色々なところからメロディーを引用してくる。 
Kimockもインタビューの中で「Cutupが巧い」と言っていた。 
キーとリズムが合ったところからスッと違う曲のメロディーを挟む。 
この日もManic Depressionが、確かTake me to the Riverに入ってきた。 
みな「え?」みたいな表情だったところをみると、バンドメンバーにとってはこのジャムは寝耳に水だったらしい。 
色々な曲が常に同時進行で頭の中で回っているというのは、引き出しの多さの賜物だろう。 

面白いなと思ったのは、Bernieがユニークな事をはじめるとバンドが静かになる。静かになるどころか全く音を出さなかったりするときすらあった。 
べたべたと原色な音が重ね塗りされる時よりも、その瞬間が一番よかった。何よりBernieの音がはっきり聞ける。 
まだいっても平均30そこそこにみえるバンドじゃ魑魅魍魎の域のBernieを持て余してしまうのも仕方がない。 

うまい具合にバランスがとれたのがSweetwaterでのショーだった。 

ゲストにTalking HeadsからJerry Harrisonと彼の娘、バイオリンにJason Crosbyを迎えた。 
 
 

Moe's AlleyでBernieが全部背負わなければならなかった役割が、ゲストのおかげで分散できたようで、全く別バンドのように生き生きしていた。 
大盛りは大盛りに変わりないんだけど、音のバランスが絶妙だったんだと思う。 
また客もかなり入っていた。賑わっていた。セットリストもよりオーディエンスフレンドリーで、客とのつながりが感じられるものだった。 
つまりニューアルバムからの新しい曲は最初数曲で、あとは誰が聞いても「あぁあの曲か」と思えるようなものばかり、 
 

ミュージシャン達もいいショーをしようと気張った感が見えたSanta Cruzのショーと違って、全然リラックスした感じだった。 
音もさすがsweetwater。全然よかった。Moe'sで感じたtoo muchな感じが全然なく、ここまで会場によってアコースティックが違ってくるかと驚いた。 
 

07/09/2013 Bernie Worrell Orchestra @ Sweetwater Music Hall 

So Uptight 
BWO Is Landing 
Y-Spy 
Thug 
She Cracked w/ Jerry 
Take Me To The River w/ Jerry 
Mothership Connection w/ Jason 
Come Together 
Life During Wartime w/ Jerry 

Encore: 
Red Hot Mama w/Jason 

爆弾が落っこちたようなショーだった。また観に行きたい。

2013年6月30日日曜日

06/26/2013 Stu Allen & Mars Hotel @ Ashkenaz

AshkenazはBerkeleyのGillman st. とSan Pabro st.の角にあるヴェニューで、ホームページによると1973年にDavid Nadelという人権活動家によってもともと倉庫だった建物をダンスホールとして改築しオープン。
Ashkenazという耳なじみのない会場の名前は、彼自身のルーツがAshkenazi Jewish (アシュケナジム:ユダヤ系のディアスポラのうちドイツ語圏や東欧諸国などに定住した人々、およびその子孫を指す; wiki)であることかららしい。

小さなドアを入ると机があって黒人のおっさんが無言で座っている。$12と手書きの札が出ているのでお金を渡すと表情ひとつ変えずに一言「右手」と言う。
右手を出すと手首の内側にポンとスタンプされる。
「ありがとう」とか笑顔とかはない。
見回してみるとむき出しの木造の天井、だだっ広いフロア、そしてステージ。ステージの脇に梁が天井まで通っていたりして、見た目重視ではないことは明らかで。
ステージ横から裏へ回るとそれほど綺麗でない個室トイレが無造作に3つか4つ並んでいる。本当に取ってつけたかのような適当なレイアウトだ。
男用と女用が別れていないので、セットブレイクの時はいつも長蛇の列。
その奥へ行くとバックステージで、ここが曇っていない日はない。

ここは全てが無骨。
ファンシーで皆笑顔で迎えてくれるTerrapin CrossroadsやSweetwaterとは大違いだ。

「お客様は神様」ではない。
客も人であれば、アーティストも人だし、バーテンダーも人だし、物販のねえちゃんも人。スタンプを押した黒人のおっちゃんも人。
サービスを提供する人の身分が低く、受ける側がお金を払ったから高い、というのは間違っている。

高校時代、名古屋は栄のダイヤモンドホールでSonic Youthを見た。
94年くらいだったと思う。Washing Machine Tour。
当時の高校生の自分にとってナウだったのはMellow Goldを出したばかりのBeck、チョコシンのボアダムズ。あとロックっぽいものでMelvinsのHoodini, Mudhoneyなんかを聞きまくっていた。
レッチリは今のような「ロックスター」ではなく、Faith No MoreとかFishboneとかと同様「変態ミクスチャーロック」のいちバンドに過ぎなかった。Dave Navalloがギターだった頃だ。

Sonic Youthに話を戻すと、彼らの機材が盗まれたせいで音が劇的にクリアーになる以前の話で、ショーはalternative/grunge余波はとっくにすぎていた時期とはいえノイズまみれで、モンドな(笑)ショーだった。
凄まじくノイジーなDiamond Seaでアンコールが終わり、客電がついた。
「あーびっくりした」というのが感想だった。笑
するとさらにびっくりする事が待ち受けていた。

客がぶーたれている。
「金返せー」と言っている人が、一人や二人ではなかった。
ステージに何か放り投げこんでるやつもいる。
何をしにここにきたのか、そして誰を見に来たのか知っているのか。
確かに解りやすいショーだったとは言えないけど、自分が楽しめなかった責任を全部Sonic Youthに転嫁する事ができるなんて、あきれた傲慢さだと思った。
あんた自身はそこでいい時間を過ごす努力をしたのか。お金を払うまでは頑張ったかもしれないが、いつもそれだけで十分なわけがない。
エンターテイメントの場は提供する側だけでなく、される側と両方でもっている。そこに力関係があるのはおかしい。
なので「お客様は神様」ではない。
「楽しめなきゃ、あんたが悪い。か、あんた、運が悪い。」

話をもとに戻すと、無骨なAshkenazだ。こういう会場があるのは嬉しい。
変に「おもてなし」がないのが嬉しい。
彼らに取って理不尽な事で客がぶーたれようものなら、金を放り出して誇らしげに「出てけ」と言うはずだ。笑

Stu AllenがMelvin Seals' JGBを離れたのが2011年だから、もう2年前。赤ちゃんができて長距離ツアーが難しくなったのが理由だったと思う。
その直後からこのStu Allen & Mars Hotelがローカルに活動をはじめた。
もともと月に2回くらいGrateful Dead Nightをやっていた。初めてこっちに遊びにきた9年前にGrapefruit Edを見たのもここ。
当時は色々なデッドカバーバンドが入れ替わりで出ていたと思う。

で、この2年間はMars Hotelが原則毎週水曜日のGrateful Dead Night担当になった。
はじめの頃は閑散として無骨まるだしなフロアだったが、最近はにぎわっている。
いい感じ。

無骨といえばこのバンドも無骨だ。
いいバンドとはいえ人気者になってかき回してやろうとか、大金持ちのロックスターになろうとか、そういう感じは100%ない。
やりたい音楽をやりたいように、世の中にこびることなく、やり続けてきた人たちであり、これからも彼らのその姿勢が崩れる事はないと思う。
CD屋の店頭に並ぶ事がない、ラジオでかかりにくい、とても人間臭い音楽に日常的に触れる事ができて幸せだと思う。
地道に好きな事を突き詰めようと、見えないところで頑張っている人たちに乾杯。
がんばれーAshkenaz!! がんばれーMars Hotel!!