2012年9月30日日曜日

9/28/2012 Zigaboo Modeliste @ Sweetwater Music Hall





「Zigabooってどんなドラマー?」と聞かれたとしたら、「ファンクという新しい音楽言語を作り出したドラマー。」と答えます。 
Zigabooがいなきゃ、今名が売れて活躍しているドラマーの何人かは間違いなくいなかっただろうと思う。少なくともRodney HolmsはKimockと一緒にプレーすることはなかったはず。 
Jerryがいなけりゃ、Kimockは今の位置にはいなかった。というのと同じで。 

こんな偉そうなこと言ってますが、ファンクというのは個人的には極めてわかりにくいジャンルだった。日本にいるときはファンク、ジャズ、レゲエは三大謎だった。でもこっちに来てショーを見たら、なんのためらいもなく身体に入り込んできた。 

特にファンク。 
JBやSlyなど分かりやすいものを除いて、レコードでは良さが十分に伝わってこなかった、少なくとも私には。リズム主体で、色どりがなく一本調子で、「んー」。たまに「アー(濁音付きで)」とか言ってるし、そんな青筋立ててがなられても、しかもホーンも邪魔くさい…みたいな。全然わかってなかった。 
しかしショーを見ると、心地よくグルーヴに乗るには一本調子なリズムじゃなきゃならないし、下っ腹に響くにはベースはきつくなきゃいけないし、入るべきところでホーン系の楽器が入らなきゃならないし、たまに来る「アー(濁音付きで)」がたまらなく、気が付けばこっちも「アー(濁音付きで)」って叫んでいる。 

Zigabooに出会えたのは、本当にラッキーだった。 
とにかくハイエナジーで迫ってくる。数時間ほとんど絶え間なく叩き込んでくるリズム…クラベ(Not Fade Awayのリズム)がこんなに退屈じゃなく聞かせられるのはZiggyだからだと思う。 

会場の誰かが誕生日だったようで、おなじみの「Happy Birthday」の曲をやった。こういうのは結局ベタになってしまう事が多くあんまりほめられたことじゃないなーといつも思ってしまうのだけど、あんなかっこいいfunky happy birthdayは今までに聞いたことがなかった。 

最近は本当にラッキーなことにファンクに近い生活をしている。変な言い方だけど。 
Bernie Worrell、George Porter JrがKimockと一緒にプレーするのをFur Peace Ranchで見たばかりだ。ショーの後Steveに「FunkadelicとMetersってFunkのパイオニアが一緒に演奏したなんて、本当に信じられない」と言ったら、いちファンに戻ったSteve、目を輝かせ「本当にそうだよな!」って興奮した様子だったのを覚えている。 

Zigabooに話を戻すと、正真正銘のエンターテイナー+国宝級の腕の持ち主。金曜の夜ってことでオーディエンスが荒れ気味だったにもかかわらず、かなりfunkで燃え上がってました、Sweetwater。とてもシンプルなんだけど、そこにイレギュラーなおかずが入ってくる。でもビート自体は決して乱れることがない。しかもそのおかずがユニークで美味で仕方がない。 
いやはや参りました。 

このショーにはもう一つおまけがあった。 
ギターがお気に入りのChris Rossbachだったのだ。いやーたまんない。 
元SlyのBobby Vegaがベースでデュオとして活躍していた時期もあったが、最近はZigaboo一本みたい。キメ細かいギターワークは健在。Novax+Boogie+Stereo Memory manというかなりシンプルなセッティングから刻まれるリズムは完ぺき。しかもすべてねらってやっている感がすごい。ブレがない。Zigabooがメインの音楽監督だけど、Chrisは副監督ですね。細かな指示はChrisが出してました。Zigabooは声+ドラムってことで手いっぱいだからね。 

一か月くらい前のレイジーサマーデイズのステージも良かったが、今回は2セットという事でセットブレイク含め4時間。たっぷり最前で楽しませてもらいました。 

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