2011年12月28日水曜日

12/27/2011 Randy Craig Trip @ Cafe Trieste

今回もいつも通りよかった。
いつも以上だった。思わず2枚CDを買ってしまった。

いつも友人がショーを録音しているんだけど、彼がプロデュースしたライブ録音CD「Randy Craig Trip/ Live at Cafe Trieste Vol 1」。
もう一枚はスタジオ録音盤「The Randy Craig Trip/ The Diamond Sessions」。

「Randy Craig Trip/ Live at Cafe Trieste Vol 1」
Gnossienne #1
Bernie's Tune
A Small Day Tomorrow
The Beauty At the Bottom of the Sea
Black and Tan Fantasy
Sugar In My Bowl
Call Me
Out Of Nowhere
Embraceable You
Come Rain Or Shine
Honky Tonk Train Blues

Randy Craig- piano, vocals
Steven Strauss- bass
Terry Haggerty- guitar
Katie Guthom- vocal
Danielle Thys- vocal
Peter Tucker- drums


「The Randy Craig Trip/ The Diamond Sessions」
Struttin' With Ian
Come Rain Or Come Shine
Twisted
Spooky
Round Midnight
The Beauty At The Bottom Of The Sea 

12/26/2011 David Grisman Bluegrass Experience @ Freight and Salvage



David Grismanは超セクシーだった。 
ギターより一回り以上小さいマンドリンのフレットボードを自在にしかも素早く動き回る手と指、これがたまらなくセクシーだった。 
んー意外なところにセクシーさはあるもんだ。 

Bluegrassというのは、私にとっては50年前のスラッシュメタルと演歌のような認識。つまりは階段を転がり落ちるようなこれみよがしな速弾きの曲(スラッシュメタル)と、こぶしのきいたみんなで歌う的スローなワンパターンバラード(演歌)に分類され、しかも大体その二つに当てはまってしまう。 
どちらかというと前者の方が個人的には好みなのだけれど、いくらギターが好きとはいえSteve Vaiをぶっ続けで10分間以上聞くのは苦痛以外なにものでもないのと同じで、階段から転がり落ちる前にstopボタンを押してしまう。 

それでもDavid Grismanが好きなのはBluegrassというコンテクストの中に、Gypsy Jazzのスケールがちらほら見えるからで、異質Bluegrassだからだ。 
Dawgというらしいが、私はそれがなんなのかよく解らない。 

このショーでいいなーと思ったのはやっぱりインストでジャムる曲。それと例外的にShady Grove。Shady Groveは曲が好きなんです。 
あと、Dawggy Mountain Breakdown, Happy Birthday Bill Monroeって曲も曲のタイトルからくるイメージに反して非常にモダンでいいインスト曲。 
アンコールにやったBill Monroeががんを宣告された後に書いたというMy Last Days on Earthという曲も非常に印象的でした。いいできでした。 

band memberは 
David Grisman- mandolin 
Keith Little- 5-string banjo 
Jim Nunally- guitar 
Chad Manning- fiddle 
Samson Grisman- bass 
David Keith Jimの三人が歌う。SamsonはDavidの息子。 

Mike Marshallと、あと数人がゲストとして数曲に参加。 

12/23/2011 The Coverlettes @ Freight and Salvage


表メンバーは、 
Darby Gould(Jefferson Starship the Next Generation) 
Katie Guthorn (Zasu Pitts Memorial Orchestra, Big Bang Beat, Randy Craig Trip) 
Carol Bozzio Littleto (Big Bang Beat) 

裏方は 
Randy Craig (Randy Craig Trio, The Pickle Family Circus)- Piano 
Maurice Tani (Randy Craig Trip)- Bass 
Vince Littleton (Merl Saunders & the Rainforest Band) 
Terry Haggerty (Sons of Champlin) 

んーこういう、バンドが一番すごかったりするのがこのシーンの特徴で。 
つまりはそうそうたるバンドに属しているメンバーが、適当に集まってでっち上げるという。 

The Coverlettes というのは早く言えば60年代ガールズグループカヴァーバンド。 
The Shangri-Lasのremember walkin' in the sandだとか、The ronnetsのBe my babyだとかを、衣装、ダンスそのままに再現しようという。企画モノ。 


遅く言えば、ニューヨーク出身の三姉妹(Stella, Bella, Ella)になりすました表メンバーたちが、ちょっとしたプロットにそってガールズグループの曲、それからクリスマスソングをかわゆい衣装を着て、歌い踊るというそういう企画。 


演奏演出とも、完璧で非のつけどころなし。 
60年代のガールズグループというのは完全に守備範囲から飛び出ている部分なので正直楽しめるかどうか不安だったのだけれど、ふたを開けてみればこんなに楽しめたショーは久しぶり。 
しかもFreight and Salvage Coffee houseという会場はBerkeley downtownにあって、席付き。強いて比較対象を挙げるとすればYoshi'sを若干地に足を付けた感じ。オーディエンスもハードコアなヒッピーだとか、眼が逝っちゃってるような人は一人もおらず、落ち着いた「大人」な人たちばかり。 
まだ風邪っぴきだった自分としても、非常に心地よかった。 

いつもはギターだとか、楽器ばかりを聞いているんだけど、声も立派な楽器なんだなーと思いました。 
好みになるんであてにはなりませんが、このショーではDarby Gouldさんがすごくいいと思った。声の質はもちろん、ほかの二人よりはるかにプロフェッショナルでした。いつもオーディエンスからどう見えているかを十分意識した、おどりやしぐさ、立ち位置やマイクの使い方。細心のところに注意がいっているっていうのはやっぱりステージ慣れしているからかな…とにかく十分に準備された立ち振る舞いは見ていて気持ちがよかったです。 
とくにこういうコンセプチュアルなショーでは、完璧じゃないと意味をなさないという面もあり、感心しました。 

2011年12月18日日曜日

12/15/2011 Dinosaur Jr @ Fillmore

私はもともとはパンクファンで、Nirvana, Sonic Youth, Mudhoney, Urge Overkill, Screaming Trees, Teenage Fan Club, Sound Garden, Alice in Chains, そんなバンドを好んで聴いていたモノで、そのなかでもDinosaur Jr.は別格。 
とにかくMarshallスタック3台から出てくる、歪みまくりJの長尺爆音ギターソロは眠気を誘う気持ち良さで、当時アンチギターソロ派であった自分でもこの人だけは別物ととらえていた。 

それから20年近くたった今、Grateful Dead, Steve Kimock等を経てlonger solo, better派に完全に変身してしまった耳に、さてどう響くかとても楽しみだった。 

しかも今回はBug完全に再現+Henry Rollinsによるインタビューありという、おまけ付き。 
良くないわけはない。 

まずオープニングアクトが済むとHenry Rollinsが出てきて、Dinosaur jr (J Mascis, Murph, Lou Barlow)にインタビュー。 

確かMurphやらLouに、別のバンド、LemonHeads, SebadohやらでプレイするのとDinosaurでやるのとでは何が違うかとか、Jに爆音でのギタープレイによって何か障害はなかったのか、そんなようなことを聞いていたような。。。 
体調が超不良だったので何を話していたかははっきり覚えていない。 
ただHenryがとても元気でハキハキしていて好感が持てたというのは印象としてある。面白いおっさんだと。 

で数分置いて、Dinosaur のセット。 
Out Thereから始まって2曲。で3曲目が待ってましたの"Freak Scene"。例によってモッシュというか押し合いへし合いの輪がフロアの真ん前にできた。 
あと3才若かったら飛び込んでたなー。 
いーなーと思って見てた。笑 

でクロージングのDon'tが一番よかった。 
オーディエンスから一人ステージに上げて、叫ばせて、Jが垂れ流しソロ。私はこう言うのが大好きでね。笑 
もうあと20分くらいソロしてほしかった。超サイケだった。 
CDではこの曲はつまんないから、いつもスキップするんだけど、ショーの中ではこれが一番だった。 

アンコールでなんだったかな…んーFeel the Painか。あれも良かった、でももっと弾きまくって欲しかったな。 

以前J+Fogをクアトロで見たけど、それよりかなり良かった。 
やっぱFillmoreレベルの広さの会場だとMarshall3台が生きるよなー。 

11/29/2011 Randy Craig Trio with Terry Haggerty @ Cafe Trieste



いつも通り満員。 
10くらいあるテーブルはみんなふさがって、 
演奏がいいから当然といえば当然だけど、席がないの。 
7時から9時で2セット。1セット目が終わった時点で座ることができた。 
小さいカフェなので立っていると邪魔になってしまう。 
もうちょっと大きい会場でも十分いっぱいにできる力があると思うけどねー。 

さて演奏の方は前も言ったように、海千山千の人たち。 
完ぺき。 

やっぱジャズっていい。 
これからはちゃんとテンションコード勉強します。と思いました。 
やっぱテリーはヒップだなぁ。 

2011年11月20日日曜日

2011 Harvest Tour David Nelson Band



11/10/2011 @ Palm Ball, San Rafael 
11/18/2011 @ Ashkenaz, Berkeley 

11/09/2011から11/20/2011まで、北カリフォルニア9つのショー。 
どうでもいいですけど、ハーヴェストツアーと一連のショーにツアーの名前がついているってのは、なかなかいいですよね。 
まとまった感じがして。 

2つのショーを見ました。 

仕事が忙しい+蓄積疲労がかなり極限まで来ている+近場でのショーがド平日という悪運で、二つのショーとも全部見ることはできず。10日の方は途中で到着してアンコール前で退散。18日についてはファーストセットでもういっぱいいっぱい。 

でも仕事がない時だったら追っかけていたかもしれない、と思うくらいによかった。いや、これを追っかけなければウソです。モグリです。 

前見たのはいつだったか忘れてしまったが、どちらかというとBarry Sless and David Nelson Band、といってもいいくらいBarryが前に出た感じだったけど、今回は全然違った。 

とにかくjamが熟れていて、メンバー全員が曲を引っ張る引っ張る。 
一人がインプロヴァイズをはじめる。すると他のメンバーがそれを拾うまでの時間が短いこと。ぱっと、しかもがらっと曲の調子が変わる。変えることができる。 
感度の鋭いミュージシャンがお互いの音を聞きあって、曲を興味深い方向に持っていく。 
Grateful Deadがspaceなんかでやってたjamにきわめて近いものを感じました。 
ものすごく民主的なjam。誰が目立つわけでもなくただただ音だけがある感じ。 

ジャムバンドというくくりの中にいるバンドが多くあるけど、実は別にジャムしているわけじゃなく、ただソロがうまく、しかも長い、というだけのバンドがかなりありますわな。 
なにを隠そうKimockのバンドも大体そんなです。 

が、今のDavid Nelson Bandは一味違います。 
正直ちょっとびっくりした。すごいんだもん。 


えー、オーディエンスもよりすえたかんじで。 
もう本当にコアなフリーク達でした。 
Kimockのオーディエンスと比べるとnew age色が全くない。 
60年代からこんなのしか聞いていないぜという感じのおっさんや、ヒッピーバスで移動+定職明らかに持っていない若者ヒッピーちゃん達、いやーアウトサイダー色が一段と濃い人たちが集まってました。 
ちょっと怖かった、実は。笑 
アウトサイダー色ばかりでなく、レッドネック色もかなりあったんで。


 

2011年10月1日土曜日

9/30/2011 Zigaboo Modeliste @ Hardly Strictly Bluegrass

国宝級ドラマー。 
最高のパフォーマンスをゴールデンゲートパークの青空のもとに見られた。 

Hardly Strictly Bluegrass は毎年恒例、Golden Gate Parkでこの時期に開かれる3日間の無料のフェス。 
去年がちょうど10周年記念の年でPatti SmithやらElvis Costelloやらとんでもないメンツがそろって話題だった。 
去年はわたしElectric Hot Tunaを見に行ったが、駐車スポット探し、会場探し(バカデカい公園に5ステージくらいある、あちこちに)で、おしまい。 
最後の曲の最後の「じゃーん」だけがステージにたどり着く道で聞けた。 

今年はZigabooが金曜のお昼12時からというスロットだったので、パーキングがあっという間にみつかり、しかも最前列。Zigabooの真ん前という。 
最高なラックが重なって。 

そして最高なステージだった。 

Zigabooといえば、Funkの祖Original Metersのドラマー。 

Metersのファンクが好きだ。 
「粋」なのだ、さっぱりして竹を割ったようなさっくりとしたファンク。 
額に汗や粘着系なやつが今はどうもこないので、いいメロディをいいリズムで聞かせるという基本に立ち返ったようなバンドが今はいい。 
ドラム、ギター、ベース、ハモンドB3以外みょうなトリックは無し。たまにボーカルも聞こえたか。 

で、今回のショー。 
リズムがずば抜けてタイト。しかもユニークときている。 
抜群だった。 
こんなとんでもないミュージシャンをこんなまじかに、しかもただでみられたなんて、奇跡だった。 

しかもギターがChris Rossbach。 
が、メンバー全員がいい仕事をしていた。 
が、それでもやはりZigabooがずば抜けていた。 

もうショーが終わって一日半以上たっているんだけど、まだポジティブなエナジーが切れない。 
笑ってすごせる。 
あんなとんでもないショーを見た後では、日々のストレスなど些細なもの。 
まだビートがからだじゅうではねている。 
Funky Buzz続行中。

9/27/2011 Randy Craig Trio with Terry Haggerty @ Cafe Trieste

ここでは紹介し忘れていたが、
ここんところ毎月4週目火曜日恒例のことになっている、このイベント。
Cafe TriesteというBerkeleyはSan Pabloを南に下った小さなカフェ。
ここでは音楽イベントもあって、月末の火曜日はいつもこの4人組がでる。

Terry Haggerty。
60年代後半はSFサイケデリアルネサンスの最中に出てきた、Sons of Champlinのギタリスト。
10年くらい前にはKVHWでRay Whiteが抜けた後に、代わりとしてKVHHでツアーしていたこともあるくらいの強者。


Jazzのスタンダードを、スタンダードな形そのままに聞かせてくれるこのバンド。
超スタンダードジャズがあまり好きではない私。
初めてみたときは「んーどうかな」と思っていたが。

におった。

ギターソロにかかった瞬間からどうもにおった
強者のにおいがする。


音楽は現金なものでいつも○か×だ。
しかも瞬時に「勝負あり」なのだ。
最高だと思うものは○。
それ以外は×。


Terryのソロはどの曲でも最高だった。
はずれなし。

個人的な趣味になってしまうが、「なんでこんな音選びできるんだ」な、ソロが好きだ。変幻自在なソロといってもいい。
僕の好きなギタリストは、音自体の違いこそあれ、みなこのタイプだ。
Jerry Garcia, Steve Kimock, Barry Sless, Chris Rossbach。
東海岸では毛色こそ全く違えどTom Verlaine。
もっともっといるはず。

自分もギターを弾くのでわかるが、ソロをひくとどうしても癖が出てきてしまう。手が、そして脳みそが一定の型を覚えてしまっていて、どの曲もそれに沿った展開になってしまうことがある。
これは退屈だ。×の見本。

要はそれをいかに避けるかだ。
癖というものはつまり「自分」。それを避け曲に身をゆだねるようになると、自然と抜けていく感じになる。
自ずから曲が音を選んでくれる、それにただ沿うだけだ。
曲が自分の身体を借りて勝手に演奏してくれるのだ。
それこそ理想で、そして無理のないソロになる。


この人とギグの後にお話しさせてもらったが、
いやーKimockととても似たものを感じた。
頑固なまでにあっけらかん、スコーンとしている。
屈託がなく、ガハガハ笑い、楽しんでいる。
他に腹がない。
この人もアーティストというよりは職人。

また来月末火曜日が楽しみだ。

2011年9月30日金曜日

9/23/2011 Garrin Benfield @ DoloresPark Cafe

GarrinのホームグラウンドともいえるDolores Park Cafe. 
最新作Wave Organ Songからの選曲が圧倒的に多かったのが嬉しかった。 
JerryのカバーWaiting For Miracleから始まって、穏やかに進んでいく。 
あくまでゆっかりとしたペースで、粒ぞろいの曲達を長年のツアーで鍛えた腕、はりつやのある声でもって聞かせる。 

前の週もMissionかどこかのマーケットで聞いたんだけど、やっぱりいい。 
SFにしっかり根付いている感じで。 

米にきて何が嬉しかったかというと、こういうミュージシャンたちに知り合えたことだ。 
ただただ自分が好きな音楽を信じ、演奏し続けてきて、ショーをやるから友達が来て、またそこで知らない人とも知り合って。 
そんな生活を送っている人。 
そのひたむきさと情熱は、音楽自体の好き嫌いを超えて迫ってくるものだ。 


小さいが強い音楽という磁場でもってつながっている。 
友人ベースでつながっているから、そこに醜いドラマなどない。 
おたがい緩やかにナイスなのだ。 

彼がどんな人かはそれほど知らないし、正直格別に知りたいとも思わない。 
ただ音楽が好きだから、それに安心してお互い身をゆだね、つながっている。 
そういうつながりが、たまらなく楽しいし、好きだ。 

こういうつながりはこの磁場が大きくなろうと小さいままであろうと、彼が演奏し続ける限り消えないはずだ。 

Waiting for a Miracle 
Moanin' Low 
Walking Time Blues 
I'm Only Sleeping 
Are You With Me 
Rock n Roll 
Wichita 
Thirteen 
If You've Lost Your Way 
Colors in You 

Light the Way 
What You're Hiding 
No Compass> 
Cortez the Killer> 
Give Peace a Loop 

Enc: To Lay Me Dow

2011年9月25日日曜日

9/24/2011 JGB @ GAMH

Jerry DayをもってギターのStu Allenが父親業に専念するため少しの間JGBを離れることになり、体格も声もStuより一段とJerryに似たDave A'bearが入った。 
おそらくベーシストのドレッドロックが立派!Jimmyが自身のバンド、Schwagからひっぱってきた。 
全米にJerryそっくりさんが何人いるかは分からないけど、とにかくすごい。 
よくぞここまでできるもんだと思います。 
ギターはJerryのrosebudにそっくりな形のギターで、アンプはツイン一発。あと数個エフェクトペダルがついて、もうそっくりな音が出てました。 
機材というよりも、腕ですね。トーン、そしてちょっとしたトリック、音の選び方、参りました。 
このレベルの人たちが次から次へと出てきてしまうのを見るにつけ、アメリカの底無しな怖さがここにありますね。 

アーティストというより職人なんですね。 
いい仕事を見せてもらったという感じでした。 

素晴らしい演奏をしている彼らを見て、うわーいいなーなんて思いながらも、ぼーっと思ってたこと。 
新しさだけを狙ったバンド、自分が演奏しているんだかコンピュータが演奏しているんだかわからないバンド、そういう人たちがオリジナリティだとかいうのならば、個人的にはそんな薄っぺらなオリジナリティはいらない。 
だからといってJGBがものすごく心地いいのでもない。ここまでJerryの跡を追い続けるのも「なんだかな…」と。自分はできないし、できてもあえてしない。 
まぁ、こんなことを考えるくらいリラックスして見てたってことです。 
肩に力がはいらないって、これほどいいことはないですね。 

SET 1 : Finders Keepers>Roadrunner, Lazy Bones, Tangled Up In Blue, When the Hunter Gets Captured by the Game>Money Honey>Lay Down Sally 
---- 
SET 2 : It's No Use>One Kind Favor>Evangeline, I'll Be with Thee>Who Was John>Mighty High 
---- 
encore : Mission In the Rain>How Sweet It Is 

9/8/2010 Bobby Vega & Chris ROssbach @ Boom Boom Room

平日木曜日は9:30からという、オーディエンスにとってはかなりきついスケジュール。 
てんで人を集める気がないというのが、このデュオの特徴。笑 
前彼らを見たのも確かど平日にConnecticut Yankeeという。まぁSF市内でも車がなきゃいけないようなトコでやったんだよなぁ。 
一度としておおっぴらに宣伝をしているのを見たことがないし、事前に知らされることもない。 
つまりは名前を売りたくて演っているのではなく、ただ単に好きで音楽をやっている人たち。 

久しぶりなんで、コンサート前にChrisと話したら、今はPalo Altoに住んでいるらしい。 
もともとSFに住んでいたのが、学業の為(この人はスタンフォード出の超秀才、つうかナードといってもいいんだけど…)TXに移住、博士号取ってベイエリアで就職先を見つけて帰ってきた。 
もともとベイエリア周辺でファンク・ジャムバンド→Zigaboo Modelisteのギターという、音楽の方でもエリート道をとおってきた御仁。 
Bobby VegaとはおそらくAvalon All Starsかなんかで知り合ったんじゃないかなと思う。 
Bobby Vegaは言うもでもないですが、Sly&the Family Stoneで腕を磨き、Zero, KVHW, SKBなんかでKimockと渡り歩いてきた超凄腕ベーシストな気のいいおっさんです。 

アコースティックアルバムが一枚出ています。 
http://www.cdbaby.com/cd/vegarossbach 
とーてもよいアルバムなんだけど、あんまり知られてないです。 
エレクトリックになると、こんな感じ。 



2011年9月11日日曜日

8/7/2011 Jerry day: JGB @ Jerry Garcia Amphitheater

初めて行ってきましたJerry day。 
サンフランシスコ市街を南から見下ろすような形の円形の小さなステージ。 
バークリーのグリークシアターを10分の1くらいにした感じか。 
毎年Jerryの誕生日の周辺にやるこのフリーコンサート。 
もっともカルトでコアでクレイジーなヒッピーたちが集まるこのイベント。 
オーディエンスはたくさん集まるだろうなと思いきや、ちょうどいい数。こみすぎてもいないし、すきすぎてもいない。 
ラインアップも毎年やや中途半端。(わざとそうしているんでしょうけど)。 
だから今まで行かなかった。 
でも今年は行った。 

個人的な話になるが、 
このイベントの直前に友人のお子さんが亡くなった。 
座っていても立っていても、そのことが頭から離れず。 
とにかく何もしていないよりは、何か普段楽しいと思うようなことをして気持ちを紛らわしていたほうがいいと思い、このコンサートに行った。 
気がついたらどういうわけか最前列。しかもMelvinの真ん前にいた。 
二曲目のLove in the afternoonで涙が止まらなくなってしまって、一旦場所を離れた。 
ステージ上のミュージシャンたちはsmile smile smileな観客たちに混じって、大粒の涙を流しまくっている私を見て、変な気持だっただろうな。 
「こいつ、とんでもなくトリップしてやがる…」(苦笑) 

私は普段全然泣かない。あまり泣けない体質らしい。 
しかし、つまりは、音楽自体が感情を、悲しみを増幅させたんだろうな。エレクトリックギターがアンプを通すと音がでかくなるように。 
とにかくあとは朦朧として音楽を聴いた。 

Melvinはステージ上で言っていた 
「Miracleってのは起こるものだ。感情を研ぎ澄ましていれば毎日でも起こるものだ」 
一緒にプレイしている女性シンガーの一人は、がんを克服したというエピソードを聞いてまた涙が止まらなくなった。 

音楽と感情の結びつきを強く感じさせられたコンサートでした。 



見たのはJGBのみ。

2011年9月4日日曜日

concert list

記録として。
このブログ以前に行ったコンサートを書き出してみました。



12/28/2005 SKB @ GAMH
12/29/2005 SKB @ GAMH
12/30/2005 P&F @ Fillmore
12/31/2005 SKB @ GAMH

06/29/2006 Zero @ High Sierra
06/30/2006 Zero @ High Sierra

12/27/2006 Banyan @ 12 Galaxies
12/28/2006 Banyan @ 12 Galaxies

02/02/2007 Zero @ Fillmore
02/03/2007 Zero @ Fillmore

02/07/2007 Jefferson Starship @ Justin Harman Plaza

02/14/2007 Rat Dog @ Fillmore

04/26/2007 David Nelson Trio w/ Phil Lesh @ Iron Spring Pub

05/18/2007 Seva Wavy Gravy Birthday @ Regency Ballroom

05/25/2007 Zero @ Catalyst
05/26/2007 Zero @ Mystic Theater

07/26/2007 Satisfied All Stars @ Ashkenaz
07/27/2007 Satisfied All Stars @ Connecticuit Yankee
07/28/2007 Satisfied All Stars @ Sweet Water

09/01/2007 Jefferson Starship @ Sousalito Art Festival
09/02/2007 Summer of Love Concert @ Golden Gate Park

09/23/2007 P&F @ Greek Theater

09/28/2007 Banyan @ 12 Galaxie
09/29/2007 Banyan @ 12 Galaxie

12/31/2007 Sless, Vega, Molo, White @ Odd fellows Hall


01/25/2008 P&F @ Fillmore
01/26/2008 P&F @ BGCA

02/04/2008 Dead Heads for Obama @ Warfield

03/11/2008 Steve Kimock & Billy Goodman @ Red Fox Tavern
03/13/2008 Steve Kimock & Billy Goodman @ GAMH
03/14/2008 Steve Kimock & Billy Goodman @ GAMH
03/15/2008 Steve Kimock & Billy Goodman @ Forestville Club
03/16/2008 Steve Kimock & Billy Goodman @ Forestville Club

2011年7月17日日曜日

7/15/2011 Steve Kimock & Friends featuring Bobby Vega with Kyle Hollingsworth, Wally Ingram & more @ GAMH

さて2日目。

1st setより2nd set、初日より2日目の方がいいというのは、腕があったまってきているから、それとバンド自体がショーに慣れてきているからというのはいつものことで、NapaよりもGAMHの方がまとまってました。
会場も結構入っていて、みんな立ち見なので音が空かずにガツンと来てました。
この日は前日と違って火が付いていました。
ごちゃごちゃブーたれることもあるまい。

よかった。以上。

Steve Kimock & Friends
Great American Music Hall
San Francisco CA
7/15/11

It's Up To You
?? (Kyle-led instrumental)
A New Africa
5 B4 Funk
Goin' Down The Road Feeling Bad*

Cole's Law >
Birdsong*
Tumbling Dice
Hillbillies >
Taxman >
Hillbillies

E: Don't Let Me Down**

* Kyle and Nicki Bluhm vocals
** plus Steve on vocals


蛇足まとめ
このKyle, Wallyを交えてのバンドはおそらく初の編成でまだまだ途上という感じで、先が楽しみです。

初の試みが多かったです。
It's up to youをスライドで弾く試みは初めて見ましたし、あまりカヴァーをしないKimockにしては珍しくいろいろな曲を試している。
ゲスト陣にSikuruのトーキングドラム、Nickiのボーカル。
あとKimockがバックボーカルをしたり、Imagine, Don't Let Me Downなどを客に歌わせようとしたり。
Hillbilliesの出だし、Bobbyのリフも本当に気のままにやっていて、ものすごくよかった。もっと壊してくれーってな感じ。

現時点ではこのバンド、良く言えば今までのKimockバンドフォーメーションと比べてフリーフォーム、実験的、悪く言えばとっちらかってて何をしたいかわからない。
まだどこへ行くか、バンドも解っていないのでしょう。
Crazy EngineでJohn Morgan, Janisなど若手たちを起用して、頑張りすぎた反動なのか、「わしゃ気の合った仲間と、難しいこと考えず自分の好きなことする」という気持ちがひしひしと伝わってきました。
実に結構なことだと思います。
今後が本当に楽しみ。
このフォーメーションで行くのかなー。 

7/14/2011 Steve Kimock & Friends featuring Bobby Vega with Kyle Hollingsworth, Wally Ingram & more @ Napa Uptown theater

座席付きのだだっ広い会場。
音響はそれほど良くない。
席がある分、人と人の間が空いてしまって、吸収されない音が宙に浮いている感じ。
Wavy GravyのSevaベネフィットの時も同じ感じだった。
これはよくない。ダメとはっきり言ってもいい。
Two Rockがもう一つ要っただろう。
みんなどうしてこれを言わないのか私にはわからないが、
音圧とか、音量が大きくないと解らないものってのはある。確実にある。
せっかくすごいことをしていても、スカスカ感があっては間が抜けてしまう。

肝心のショーだが、上に言ったアコースティックの問題もあるけれど、あんなに休み(休符)が多かったショーは結構珍しかった。
音響がスカスカだったのでそう感じたのか、それとも実際休符が多かったのか、両方なのか。おそらく両方。
Kimockは意識していたのか、多分意識していた。
だからといってショーとしてダメだったかというとそうでもない。
言葉にすると面白くもなんともないが、「神秘的なムード」があった。
音数が少ない分、こちらも腰を落ち着けて一音一音噛みしめることができたのは、予期せぬサプライズギフトをもらったかのようで嬉しかった。

正直ファーストセットは物足りなかった。
Kimockは明らかに疲れていて、その分Kyleがとてもいい役割を果たしていた。バンドを引っ張っていた。とてもしっかりしたキーボーディストだ。
Cheeseのロードで鍛えてきた腕が物を言っていた。エクセレント!

セカンドセットは違うバンドかのようだった。
420力か、ナパだけにワイン力か。
なんか入っていたような…笑
音のバランスも、ファーストセットは何だったんだろう、と思うくらい完ぺき。Vega氏のベースも輪郭くっきり。
すごく楽しめました。

SK&F
Uptown Theatre
Napa CA
7/14/11

Nana's Chalk Pipe
Thing One
Tangled Hangers
You're The One >
People Say * *

Ice Cream
Birdsong > *
Taxman >
Kashmir >
Taxman

E: Imagine

* Kyle vocals
** Steve backup vocals

Steve, Kyle, Bobby, Wally, Sikiru



こっからは思いついたことをつらつらと。

神秘的と言ったが。どうなんでしょう。
tangled hangersだったかな、「ありえねー」と笑ってしまったジャムがあった。
即興主体のバンドってことは、平たく言えば曲よりも各々プレーヤー達のマインドがその曲を演奏している時「どこにいるか」ってことが重要になってくる。
曲がひとつの完成した作品として持たなければならない要素、これと各々プレーヤー達のマインドが「今どこにいるか」、この二つのバランス、もっといえばこの二つの葛藤こそ、その日演奏された曲が見事か否かを決める要素になってくる。

文章でたとえてみる。
「富士山」が曲特徴を決めるメロディーで、即興で文を作る。カッコ内はオーディエンスの反応。
:富士山は、山梨県と静岡県にまたがる、日本一高い山です。(あーそう。なるほど。ちょっとつまらん)
:富士山は、剣岳ではありません。(別に富士山、なくてもいい)、銀が出るかはわかりません。(そんなんわしも知らん)
これくらいまでなら、なんとなくいいんじゃない。と思う。

が、
:富士山は、猫、(え、ちゃうよ)、いや、ウソ(んーーー)、ま、それはそうとしてあったかいお茶くださーい(え?!!!)、ってか早くくれー(しつこい!!ずうずうしい!!)、脳みそ脳みそ放射能(言いたいだけじゃん)、ララララー(歌うな歌うな) で、で、でも実は山なんでーす。(あほー)
ここまで来ると、「富士山は全然いらねー」となる。
そんな曲がこの日はいくらかありました。
ジャムの部分があまりに主題からかけ離れすぎてて意味をなしていない。
気分が曲を添わないんなら、もうむしろアドリブから入っていいんじゃないでしょうか。メンバー全員ついていけるくらいの腕は十分にあるんだしさー。。。

あと大きい視点で見るとセットリスト自体もなんかねーわかんない。
Beatles, Grateful Dead,Zeppelin、脳みそ、放射能って感じがしませんか?

なーんてね。

2011年6月26日日曜日

6/23/2011 Jorma Kaukonen & David Bromberg @ The Fillmore



マジックかな。 

何度もそんな瞬間があった。 

弾く人ならわかると思うが、ギターは共鳴する。 
例えば5弦の3フレットはCです。 
だがその音を鳴らしたとしても、他の弦をミュートしていない限り他の弦も共鳴して、面白い残響音となって残る。 
ある時はなんオクターブも下のEだったり、あるいは人の耳の限界に挑むようなハイフリーケンシーなEだったりする。 
ただ人は耳だけで聴いているのではなく、身体全体で音を感じるもので、そういったとても微細な違いが実は「超気持ちいいーーーーー」と「つまらん」を決定する要素になっていたりするので、面白い。 
人の感覚器は、理屈ではとてもついてこれない程、とーても繊細で深いものなのだ。 

えらそーなこと言っているが、そういったつま弾いて、つまり意図して出している音、それだけではなく意図せずにギターがそういう楽器であるために出ている共鳴音や残響音、はたまたPAから客に聞こえている音、そういったすべての音を意識しコントロールできるアーティストこそホンモノ、Real Dealなのだ。 

いやにマクラが長くなってしまったが、Jormaは完全にReal Dealだった。 
そりゃファーストアルバム、Hot Tunaが出て40年。 
この人は40年こういうことをやり続けてきたのだから当たり前だ、という人もいるだろうが、ただただ40年やっただけではこんな風にはなるまいよ。 
山あり谷ありを超えてきてこの音だと、1音1音が言っているのだ。 
これは生で聴いた人にしかわかるまい。 
逆に生で聴いた人なら誰でも気がつくはず。 
言葉にしてしまうと陳腐になるから具体的なことをいうのは止めるが、音を聞いているとJormaの性格が手に取るようにわかる。 
日の目を見るより明らかなのだ。 

Jormaはすごい。 
とにかく凄い。 
大好きです。 



Set list: 
True Religion 
River of Time 
Hesitation Blues. 
Second Chances 
Parchman Farm 
Keep your Lamps Trimmed and Burnin' 
Sea Child 
There's a Bright Side Somewhere 
Come Back Baby 
99 Year Blues (w/pistol joke) 
Baby Let Me Lay It On You 
Things That Might Have Been 
That'll Never Happen No More 
I See The Light 
Good Shepard 
Death Don't Have No Mercy 
I Am The Light of This World, 

-David Bromberg Joins Jorma and says, "we're gonna do a tune and then a short break will be 'token' " 
Winin Boy Blues