2014年8月30日土曜日

08/27/2014 Terrapin Family Band, 08/30/2014 Telstar @ Terrapin Crossroads, San Rafael, CA

先週全く趣旨は同じだけど全く趣の異なる二つのショーを見た。
趣旨はフィルレッシュ先生による若手育成。
60年代から70年代のデッドをナマで体験していない若手ミュージシャンとDeadというスコープを覗きつつ何か新しいものを探る。
Jerryの時代のデッド追体験したいお客やには、100ドル払ってもらってFurthurやRatdogに行ってもらう。
Kimockなどデッドと一緒に空気を吸って育ってきた一流ミュージシャンが完璧な夢を見させてくれますよ、という訳だ。
フィルはTerrapin Family Bandではお金を取らないし、Telestarは$18だ。
飽くまで発展途上や実験を見せる訳だからお金をとれないというのは、とても粋な心意気のように思う。

Terrapin Family Bandのショーでは、フィルの新しいAlembicのベースが途中でチューニングがおかしくなったし、間違いなくまだ100%覚えていないだろう曲もやっていた。
先も言ったジェリーとデッドとナマで体験していない若手ミュージシャンは、本当にいい意味でも悪い意味でもフレッシュさ丸出しで、「んー」ということを平気でしちゃったりもする。
でも全然いいのだ。
フィルがそこにいて2時間もの間演奏してくれる、それだけで大満足。
聞き慣れない曲が多いのでオリジナルかなと思っていたらカヴァーが結構多いようだった。
以下セットリストはGraham Leshのページ(http://grahamelesh.com)から。
The band: Grahame Lesh (guitar/vocals), Ross James (guitar/vocals), Alex Koford (drums/vocals), & Phil Lesh (bass/vocals).
Bird Song – PL
Machine Gun Kelly* (Danny Kortchmar cover) – AK
It’s Good to be King (Tom Petty cover) – GL
Brotherly Love (RJ original) – RJ
Taken At All* (Graham Nash/David Crosby cover) – AK
The Wheel – All >
Dignity (Bob Dylan cover) – RJ
He’s Gone – GL
Atlantic City (Bruce Springsteen cover) – AK
Lay of the Sunflower* (Warren Haynes/Robert Hunter cover) – GL
Sunshine of your Love* (Cream cover) – RJ
Find A Way (GL/Midnight North original) – GL >
Cumberland – ALL
Box Of Rain – PL
*1st time played!
なーるほどネタおろしがここまであったら、けっこうちぐはぐするのも当たり前っちゃ当たり前か。
でも全然楽しめました。ありがとうございました。と言いたい。

自分がステージ横から撮ったぼやぼや真っ暗な動画を三つどうぞ。
音だけでも楽しんでいただけたら。

Box of Rain
He's Gone


Sunshine of Your Love



TelstarとなるとFamily Bandより多分10歳〜年をとったミュージシャンが出てくる。
ALOのLebo, Jason Crosby Scott Law, Alex Koford, Russ James、そしてPhilという。
彼らが完全インプロでスペースをやる。
それが凄まじい。
色々なところでデッドの曲の一節が出てくるのが、嬉しい。みんなそれをちょくちょく待っている。
Cumberland Blues, They Love Each Otherなどなど。
前見た時と比べるとこじんまりとまとまって、暴れなかったなーという感じ。
フィードバックがなかったのがちょっと残念だったというだけ。

それにしても、こういうのを見せつけられるとミュージシャンの層の厚みを感じる。
みんなきっちーんとわかったこと弾くし、ソロを突然ふられても慌てることなくソツなくちゃんとこなす。
オーディエンスのツボをちゃんと抑えてのことなので、本当に感心してしまう。
どれほど練習してるんだろうと。

2014年8月25日月曜日

08/23/2014 Lee Scratch Perry @ Mystic Theater, Petaluma, CA


レゲエには逆らえない。
ライブで聞くとわかるあの地鳴りのような重低音の快感。
内臓のマッサージ。
しかもそれがあのレイドバックしたリズムでくるとたまらない。

リー大先生はいつもキング。
そりゃそうだろう、レゲエの歴史なのだもの。
ボブマーリーをプロデュースしたようなお人だ。
何をやっても許されなければならない人。

いつ頃からか聞いていた。
97年のフジロック2日目で初遭遇のはずだったのだが、雨で中止になってしまって、それから17年の月日が経ちようやくお初にお目にかかれた。
チケを取っておらずまだ残ってるかなと心配に思って会場に着いたところ難なくチケゲット。
ドア8時の割りには全く人が集まっておらず、9時になっても会場にはちらほらしか客が来てない。
ちょうど9時を過ぎたあたりで、会場の真っ正面の入り口からスクラッチの御大参上。
CDが付いていたりハイレセラシエとか、デコレーションされまくった真っ赤のラゲッジを手に、ピカピカな帽子にオレンジ色のヒゲで余裕の表情。
テクテクと会場内を群衆にやや囲まれながらも控え室の方へ向かって消えていった。
御大は歩きたい場所を好きなように歩くのだ。
髪の毛の色は自分の好きな色に染めるのだ。

9時からDJのSubatomic sound systemがはじまり。
10時頃にベースとコンゴがDJに加わり、Lee先生が来ますとDJがアナウンスした。
ステージに向かうと、まずけむりモコモコのお盆がステージの真っ正面に置かれた。
無数のマグチャンパがバナナとかオレンジなど果物に刺さって燃えている。
誕生日ケーキのろうそくのような感じで。

とにかく周り一体が煙たくなるほどもこもこのなかで、先の真っ赤のラゲッジがステージの真ん中に置かれたくらいで、リー御大がようやっと登場。

手にはくしゃくしゃのセットリスト、マイク、ライター。
ピカピカの帽子、銀河系がプリントされた上下、それに細かいテカテカがいっぱいついたズボン下。それから真っ赤なバスケットシューズにも色々なんだかんだ鏡だとか貝殻だとかがくっついている。
マイクにも何かわけのわからないものがガムテープでぐるぐる巻きされている。
そういう、色々なひかりものがいっぱいはりついた御大が出てきた。
神々しい。
あんなに陽気でエキセントリックな神はこの人しかいないだろう。

「ジャンプ」
「手をあげて」
「頭をシェイク」
御大が出したコマンドの一例だ。
オーディエンスは御大の言う通りに動く。
みんなニコニコでノリノリ。
気がついたらまわりは人でいっぱいになっていた。


客の一人がライターに火をつけステージにかざすと、リーさんもライターに火をつけ客の火と炎がひとつになる。
ソウルファイヤー
僕もライターをかざしてみたところ、御大スキップのような足取りでこっちにきて、炎がひとつになった。
ソウルファイヤー

むちゃくちゃにかわいく優しい。
御大は御年78歳。
で。
ぴょんと飛ぶ。
靴のひもがゆるんだ。
そうするとリーさんひもをほどく、すっとオーディエンスの前にだすと、女の子が御大の為にひもを御大の為に結ぶ。
ロックスターだ。




で月曜日の8/25は彼とJillie Fressinierという女性アーティストのコラボレーションアートショーがバークレーはアシュビー近くのFirehouse arts event hangerという場所であるという。
その名もLightning Flash。


がらんとしたスペースにステージらしきものの上に彼らが王冠かぶって座っている。



彼のアートやら様々は学生時代quick japanという雑誌ではじめてみたように思う。
やはりピカピカなのだ。
蛍光色、カットアップ、宇宙人を多用することくらいが特徴か。
あと、何だかゴム製の昆虫のおもちゃなんかも張り付いている。
それらが$150-$250くらいの値段で売られている。
暇になるとLee御大はステージから降りてきて既に値段がついているそれらの絵に、「Love」などと描き加えたりしている。
彼のアートは常に進行形らしい。
思ったより人が入っていないことがちょっと不思議だったが、リー先生はそんなこと気にするような様子は一切なく。
キングは何事があっても動揺しないようだ。
とてもがっつりとロックスターっぽいのだが、全体としてサラっとした印象を受けた。
彼のアートやコスチュームからゴテゴテした人なのかなと思っていたが、思いのほかサラッとしていた。
たたずまい、存在感がサラッとしている。
エゴが全然無駄に太っていない感じがした。いばった嫌らしい雰囲気が一切ない。
やりたいことはわかっていて自分がどこにいるかもわかっているから、余裕なのか。
飲み心地が最高にさっぱりしたビールを飲んだようだった。

以下は飾られていた全作品。貧乏で一つも買えなかったのが痛恨。お金はなきゃいかんなーと思った。





















2014年8月14日木曜日

08/14/2014 Michael Franti and spearhead @ Infiniti Loop, Cupertino, CA

アップルで働きはじめて2ヶ月になる。
4月仕事がなくてにっちもさっちもいかず困っているところにエージェンシーから電話がかかってきた。
「コントラクターとし働くか。今すぐでも働ける?」
からっけつでどうしてもお金が要るので飛びついた。どこで働くの?と聞くとクパティーノという。
サウスベイだ。住んでいるイーストベイからとばしても1時間はかかる。
無理。と断ろうとしたら、シャトルバスがバークレーからでてるけどそれでもダメ?と食い下がられる。
え、シャトルバスでクパティーノってApple?と聞くと「Yes」という。
あーそうなんだ。
シリコンバレーのハイテク企業はシャトルバスでサンフランシスコ、バークレーから通勤送迎している会社が多いと聞いていた。

で、なんかよくわからないうちにAppleで働きはじめた。
全く儲かるような仕事ではないのだけれど、経験としてAppleを見ておきたかった。
働きはじめてかれこれ2ヶ月経つが、現時点でこの会社の印象を言わせてもらえれば。
いい加減。
大学のような雰囲気。仕事が遊びのようだ。(飽くまでコントラクターの立場からの物言いだけど)
仕事ではとてつもなく個人主義秘密主義であるが、仕事を出るとうってかわってバディーズ(親友)みたいになる。
何か人と人との関係に特殊なルールのようなのがあるようでちょっと馴染みにくく感じる。
今まで働いてきたどの会社とも違う雰囲気なので戸惑っている。
でもいいところもいっぱいあって、カフェテリアのサンドイッチが安い上に美味い。特に大豆オイルを使ったマヨネーズが最高。
シャトルバスがあるので、ガス代が浮く。
気が向かん時には仕事しなくても、オーケー、みたい。少なくともそれに対して誰も文句を言わない。(やる気がある時に最大限やるというアティテュード)
人間関係に全然気を使わなくていい。
それに色々なタダのイベントがある。

今週の金曜日にBeer Bashがあるという告知が突然あった。
先週の金曜日もあったのにまたかい!
もちろんタダです。
おーと思っていたところに畳み掛けるように!金曜日になって同僚が「なんかライブもあるらしいで」という。
どーせしょーもないのがくるんだろと思って、「だれ?」と聞くと
「マイケルフランティ?」
「えーーーーーーーーー!!!!!!!絶対行く」
一事が万事こんな調子なのだ、Appleに勤めはじめてから。

という訳で、Apple campusの核infiniti loopにいくと、かなりもう盛り上がっていた。
当のマイケル曰く
「いやー先週の日曜日ティムから電話がかかってきて、ショーをやってくれないかッつうことだったんだけど、最初はうーんッて感じだったんだけど、diversityのcelebrationだってことってきいたから、駆けつけた」
いやーなるほど。
突然のギグだった訳です。
アイスバケットチャレンジ。まずマイケルが氷水を浴びた後、彼がティムクックを指名。
ティムも氷水を浴びることに。


社長の罰ゲームを見て大盛り上がりの酔っぱらったナード達。
バラエティ番組かい!

。。。にしてもだ、あんなに安全なショーは見たことないぞ。
従業員がみんな若いせいか、それともMichael Frantiを知らないせいか、ノリがとてもかわいい。
去年の年末のsweetwaterのキモックのショーの殺気じみたようなブリブリな狂気感ゼロ。
若い子達が程よくビール飲んで酔っぱらって、手を挙げてぴょんぴょんはねたり、きゃぴきゃぴ踊ったりしていた。
マイケルも彼らを完全に手玉にとって遊んでる感じで、オーディエンスの中に入ってきたり、彼らをステージに上げたり。
逆にこのとても素人じみたピチピチオーディエンス相手にあそこまで盛り上げることの出来るマイケルさんのプロフェッショナルさに感銘。
2時間1セットのあつーいショーは大盛り上がりのうちに幕を閉じた。