2013年12月12日木曜日

12/11/2013 Lee Ranaldo and The Dust @ Chapel, San Francisco, CA


会場に入った瞬間に耳をつんざくような轟音に打ちのめされた。
そうだった。この感覚は久しぶりだ。
パンク以降のアーティストの手ごたえならぬ、耳ごたえ。

「?」の感覚。
気持ちいいのか、よくないのかわからない。
アートとして優れているのか、よくないのかわからない。

この感覚に悩まされていた、10年くらい前。Grateful Deadにはまる前だ。
Nirvanaをリアルタイムで味わえたのはラッキーだった。
でもそれ以降の「パンク」は個人的には全然くえなかった。
確かに新しかったかもしれないが、かっこいいとも思えなかったし、かといって踊れるかというと踊れもしない。
Greendayにはまっている仲間とは自然と疎遠になっていったし、同じように、新しい「パンク」やら「ロック」の波に乗れなかった友達は音楽から離れていった。
今となっては笑えるが、若かったがうえにマジだった。
あえて口にはださなかったが、「お前ダサい音楽聞いている=イケてない。だからつるまない」

そんないやな自分が、Dick’s Picks11の一曲目のMorning Dewのただならぬ雰囲気に勝手にやられて、ひとりでジャムバンドをかじるようになった。
友達もそんなにいなかったし、名古屋でひとりデッドを聞きながら寝転がって「あーサンフランシスコってこんな音の街なのか、どんなんだろうな」と想いを馳せていた。
試しにタイダイを着てみた。が、あまりに自分にも合わないし、周りにも合わないのでやめた。笑

話がそれたが、デッドの音楽が教えてくれたのは、「考えるな」と言うことだ。
たるい曲であれ、インテンスな曲であれ全てあるがまま受け入れる事。
信じていれば、自然とあるべき場所にたどり着く。
大切なのはいるべき時にいるべき場所にいる事だ。

「?」の感覚は?のままでいいし、わからなければ素直に「わからない」でいいのだ。
そこに理解する努力はまったく要らない。
楽しめれば勝ちで、楽しめなければあんたが悪い。


ところでこの日「?」な音を出していたのは主役のLeeではない。
Bill Orcutt and Jacob Felixという前座のフリージャズデュオ。



Billがギター。テレキャスにビンテージTwin Reverbというとてもシンプルなセッティングで、気味が悪いくらいbrushyな音が出ていた。
ドラマーがこれまたすごかった。このドラミングは一瞬で「いい」と思った。
ギターはいいか悪いかはフリージャズのファンじゃないので全然わからないが、Fが好きなギタリストだなーと思った。
6弦の解放弦のおとがFにチューニングされていて、なにかとその音から入る。
とっかかりはいつもF。
それが、がりがりがりと高音域に上がっていく。0.5秒くらいの間に。
指がちゃんと動いていて音が一音一音ちゃんと出ているので、えらいなーと思った。

何を考えてこういう音楽をやっているのか、何が彼らをそうさせたのが、全然わからないし音楽から聞こえてこない。
こういうクールなのもいいなと思った。
聞く者の詮索を拒絶する音楽。
音以外何もない音楽。
たまにはいいなー。


Lee。

Leeを見たのは何年ぶりか。
Sonic Youthを見たのがいつが最後だったか、全然覚えてない。
こういうのをやりたい人だったのか。
はじめて知った。
ポップ。必ず曲の中にサビがある。展開もあるし、ソロもあるし。

バイオリンのボーをつかったり、

鈴みたいなのをならしたり、



小技もある。
が、基本的に曲のストラクチャーがものすごくわかりやすいし、親しみやすい。
なにか全く受け入れがたい事をやってくれる事をうっすらと期待していったのだが、見事に裏切られた。
具体的にいうと「Lee is Free」みたいな曲を延々1時間半ぶっ続けでやるんだろーなーと思ってた。
おそらくLee and the Dustというのは彼のポップロックプロジェクトなんだろう。

何よりもすげーなーと思ったのはドラマーのSteve Shelly。



テンポが全然ずれない。
すんばらしーなー。存分楽しませてもらいました。


素朴なポイントアウト。
ソニックユースのギターはステッカーが凄まじい。綺麗に見た目重視ではってあるかというと全然そうではなさそう。
サーストンもそんな癖があったように思うが、「次の曲は〜」って曲紹介をかならず入れるのが面白い。大体じゃらんじゃらんギターをならしながらだったりするし、聞こえないじゃん。正直曲のタイトルなんて、気にもならん 笑
エフェクトペダルにセッティングが具体的にステッカーではってある。「トレブルはここ、レベルはここ」みたいな感じで。つまみ、曲の途中でいじったりしたくならないのかなーとか。

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