2014年4月20日日曜日

April/ 2014 Television Japan Tour

Television 
4/16/2014 @ Club Upset, Ikeshita, Japan
4/18/2014 @ Hatsudai Doors, Hatsudai, Japan
Tom Verlaine and Jimmy Rip
4/20/2014 @ Koenji High, Koenji, Japan

テレヴィジョン。
なんておかしな名前のバンドなんだろう。
アメリカではテレビのことはTV(ティーヴィー)ということが多いしように思うし、日本でもテレビ。
テレヴィジョンという言葉自体アナクロな響きになってしまっている今日この頃。

このバンドとであったのはいつ頃かははっきり覚えていないが、ちょうど中学終わりのころだったように思う。
同じマンションに住んでいるロックな知り合いにカセットテープを貸してもらった。
それがMarquee Moonというアルバムだった。
同じ時に確かNina Hargen、Patti SmithのEaster、Canなんかも貸してもらっていたと思う。
全てに反応したが、とりわけ訳が分かんないままハマりまくったのがTelevisionだった。
Marquee MoonというCDを買いに走り、そしてどうやら不評だったらしいAdventure(1978)も聞いた。
ちなみに人はこのアルバムに何が不満なのか未だにわからないでいる。
Marquee Moonに比べて緊張感がない?ばかいえ。緊張感しかねぇじゃねぇか。
さらに1994年発表の再結成テレヴィジョン不評の3rdアルバム。これがまたとんでもない傑作。
This Tuneって曲を聴いてみな。
1880 or so、聞いてみろ。
凡百の不満吐き出したいだけのパンクバンドとは訳が違うわ。

ここにテレヴィジョンの違いがある。
まさによく言われる「パンク」ではないのだ。
ませすぎていたんだと思う。
若かったわりにはしっかりした(伝統的な)ミュージシャンシップが身に付いていた。
具体的に言えば、「音にメッセージをのせる、何かを伝える」だとか、さらに愚かにも「流行に合う音楽を」だとか、彼らはそういうレベルで音楽をとらえていなかった。
音楽を純粋に音ととらえて、音のマジックを楽しんでいたはず。
若者の不平不満を音にのせて吐き出すことに終止し続けた70年代の「パンクロック」なんてのは、正直37になった自分にはすでに若干聞きにくいジャンルになりつつある。
キツい。現実に頭に来ているなんてのは、こっちにとっては特に新しいことでもなくベテランなのだ。
怒りのメッセージは聞きたくない。たとえそれが次の世代のメッセージであっても!!!笑

テレヴィジョンは一部の人間を除いて知らない。
実はそれはアメリカ本国でも同じ。Johnny Rotten, Ramones, Blondie, Talking Heads, Black Flag。ここらはどうやらみんな知っているみたいだ。
Patti Smithもかなりビッグ。
でもTelevisionとくると、かなーーーり狭まる。

マジで終わってる。と思う。

Grateful Deadを発見する前はTelevisionしかなかった。
Tom Verlaineのソロアルバムも当時は入手困難で大変だったが、全部買っていちいちハマった。

そんなTelevisionがフジロックに来た。2002年7月26日、レッドマーキー。
あのテンション。
初来日やトムのソロショーには間に合わなかった自分にはTV, Tom初体験。
2列目に陣取って。TomとRichard Lloydのアンサンブルを聴けたのはあれが最後だった。
貴重な体験をさせてもらったと思う。

その後DeadやKimockにハマっても、TomのソロがThrill Jockyから出た時は地味だが一人大興奮して聞き続けていた。
LAの映画館で無声映画に音を付けるイベントにTomとJimmyが出るんで、8時間車をとばして見に行った。
Early show、Late showとも最前で見た。
最高だった。
無断でショーを録音していて、トムに怒られた。
デッドシーンで怒られたときに仕入れた知恵。テープを壊すか、上げるか。
怒り心頭のトムが目の前にいるという、かなりシュールなシーンで。
「MDどうぞ。だから許して」というのが精一杯だった。笑
「わかった、まぁ自分の録音聞きたかったし。(←結構拍子抜け)」
「(バックステージに戻って行こうとするトム)あ、トム。サインちょうだい。」
って図々しい奴。その時もらったサインは家宝として大事にとってある。

次はまたしてもフジロック。2009年7月24日。グリーンステージ。
Patti Smithと一緒に演るという。
「死んでも行きます」
って雨降ってぬかるむ中、二列目まで行った。
https://www.youtube.com/watch?v=e9RIRPRF6Hs
Tomさん、特に特別なことはしなかったように覚えている。
常にPattiにスポットライトがあたっている中、とても謙虚にも確実に一歩(多分五歩くらい)引いたギターだった。

たしかTomをみるのはそれ以来。



名古屋のショー。
最前。Fred Smithの真ん前に陣取る。
パンクなおじさん達がとても盛り上がっていた。
英語が話せないからだろう、わーとかぎゃー。あと「ろっくんろーる」とかそんな声援。
そんな盛り上がりまくる観客にステージに出てきてトムさん開口一番、低ーーーい声で

”Relax”

とにかくこの晩、バンドはのりにのっていた。
なぜだろう?と不思議になるほどバンドアンサンブルがかっちりハマり、とにかく感動した。
トムさんも上機嫌。あんなにマイクの前でにこにこしているトムは今までではじめてみた。
3曲も聞いたことのない曲(新曲?)をやってくれた。
Venusの前にJimmy Ripが後ろ向いて何かしてると思ったら、メトロノーム。
ちゃんと正しいテンポで演んのね。えらいなー。こんなしっかりとやるべきことをやるバンドだったっけ?



4/16/2014 
Club Upset @ Ikeshita, Nagoya, Japan
7:17 開演
New
1880 or So
Venus
Little Johnny Jewel
See No Evil
Elevation
New (I’m gonna find you)
Glory
Prove It
New (Just one)
Marquee Moon

Encore
Guiding Light
9:07 終演

一日オフで初台のショー。
こちらは幕が開いて開口一番
「照明が眩しいから、右上のをちょっと落として。」
真っ暗になる→明かりつく→前以上に明るくなる
みたいなのの繰り返しで、しまいに「あーまぁしょうがないわ」みたいなであきらめたトムさん。
得意の1880 or soではじめたものの全然離陸できない。Venusもまだだめ。
LJJでちょっと浮いたものの、まだまだ。
Prove itでやっとまたちょっと浮く。
そして怒濤の新しい曲でガツーんとやっとこさ離陸。
でも曲の後半引っ張りすぎて若干だれてやや失速。
という具合に、やや浮いたものの最終的に最後までうまく離陸できず。。。
不機嫌なトムさんを反映するかのように、バンドもアンサンブルが名古屋のときほどカッツリきまってませんでした。






4/18/2014 
Hatsudai Doors @ Hatsudai, Tokyo, Japan

1880 or so
Venus
Little Johnny Jewel
Glory
Elevation
New (I’m gonna find you)
Prove It
New (Just one)
Guiding Light
Marquee Moon

Encore
See No Evil





今回のTVのショーは正直Marquee Moonからの曲は、Prove Itを除いてそれ程面白くなかった。(”Prove It”ってみんなが合唱で叫ぶのが面白かっただけ)
もう聞き飽きたし、むこうも明らかに演り飽きていた。
冒険する余地がないほど作り込まれてしまっているから仕方がないというのもある。
とにかくアルバムMarquee Moonからこれほどまでの曲を演ってくれたのが、何よりも驚きだった。
ほとんど半分はこのアルバムからだったわけで。
ファンサービスなのか、たしかにこれらを聞かないと客が納得しないのがコワいのかもしれないけど、もうちょっと好きな事してもらってもよかったように思う。
それでブーブー言う客がいたらその客のレベルが低いのだ。そこに照準を合わせる必要はない。
それにしても
1880 or So, Little Johnny Jewel。それから新しい曲。
特に長尺の(Just Oneと繰り返す、アジア系のスケールの曲)は最高だった。
Foxhole, Dream’s Dream, Friction(なぜ演らなかった?!), This tune, Call Mr. Leeここらあたりのイマが聞きたかった。


さてさてどんなショーになるかのTomとJimmyデュオショー。
実はこれが一番よかった。
開演前、ステージに向かって右側最前列。
向かって左がトム、右がジミー。
それぞれアコースティックギターがステージ上に置かれている。
TVの時もそうだけれど、トムが特に。
トムが特にステージ上でリラックスしているときはバンドであれデュオであれ離陸する。
トムが何かステージ上で冒険をはじめると、ジミーはそれに呼応して彼も冒険しはじめる。
冒険というのは、決められたことやレコードと同じことをやるのではなく、アドリブでその場に合うことを自分の引き出しから引っ張りだすこと。
引っ張りだしてきたものが結果としてかっちり合うと大成功で、ぐんぐん曲自身が生命をもってどこかにバンドと客を連れて行ってくれる。
そうなるともう観ている側も含めて「気持ちよくて仕方がない」と、こうなる。
たとえそれがかっちり合わなくても、みている側としては「興味深く拝見」の様な感じになる。



普通ステージに立つと人に見られているという事から、「とりあえず曲をちゃんと失敗せずに恥をかかずに1曲づつ演りきりましょう」ということに終始することが多い。
冒険はギャンブルで、危険を冒して勝負するよりも安全を取ることを優先してしまいがちだからだ。
観ている側としてはこれほどつまらないショーはない。
僕だけかもしれないが、なにも完璧にレコードと同じものをショーに期待していない。
レコードと同じだったら、わざわざ会場まで足を運んで高いチケット買って突っ立って何時間もショーを観るよりも、寝転がってCD聞いてる方がよっぽど楽だからだ。

ここにミュージシャンのステージ慣れや度胸という要素が入ってくる。
どこまで客の観ている目の前で、曲に命をふきこむ事ができるか。
ましてや古い曲を演るのならなおさら。
常に練習していたりステージを多くこなしているミュージシャンには自信にあふれていて、それは一番確実に客に伝わる。
もちろんその時のコンディションにもよるけど。

この日はデュオショーで小回りが利くという事もあってか、二人で冒険しまくっていた。
結果最高だった。
セットはTVのセカンドからFireなんて飛び道具的な曲もあったけど、基本的にはトムさんのソロから。
生きていてよかった。
全部彼のソロに20年近くハマっていてよかった。
最近のお気に入りのソロアルバムからも演ってくれた。
セットリストが書けると言うのは、光栄な事だ。
知らない曲がほとんどない。



4/20/2014
Koenji High, Koenji, Tokyo

At 4 a.m.
Documentary
Prove It
Orbit
Stalingrad
? (I can’t forget)
The Earth Is In The Sky
The Man In The Backyard
Pillow
Fire
Anna
Words From The Front
Venus
Kingdom Come
Ancient Egypt
Emak Bakia - (From Music For Experimental Film DVD)
Nice Actress

Encore
O Foolish Heart

2nd Encore
Rain, Sidewalk

今回も去年のKimockのショー同様リユナイトがあった。
初台のショーでは元バンドメンバー合流。ショーの後にはもう一人のいぬくんも加わって久しぶりの完全なバンドリユニオンになった。リユニオンといっても思い出横丁で一緒に酒を飲んでただけだけど。それはそれで。
高円寺では去年のキモックのベイホールにも参加のいつものかわいいお二人と一緒に。
音楽を通じての友人というのは、ただの友達よりも繋がりが妙に強固な感じになっていいなぁー。
同じ音楽をきいて場の空気感もシェアできるってのは本当に素晴らしい。
一生忘れない思い出が一つ増えてとても幸せです。

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