2013年2月14日木曜日

02/12/2013 Dr. John @ Yoshi’s Oakland

余裕だった。
余裕で好き放題やっている。
「この人たちやる気ねーなー」というのが第一印象。あまりに力が入っていない。
ぞろぞろバックバンドが出てきた。黒人のキーボード、ベーシスト、ベーシスト、ドラマー。そしてトロンボーンの白人のおんなの子。この子が音楽監督。Dr.は最初から最後まで好きなことを好きなスピードでするだけだ。

さてイントロダクション。テンポの速い曲と共にDr. Johnの登場。ゆっくり、あまりしっかりしていない足取りでベンチに座る。
客を真っ黒のサングラスから覗いている。
Iko Ikoだ。クラベのリズムが響く。大好きな曲だがまだピンとこない。
数曲進む。まだピンとこない。なぜだろう。
あたりを見回す。自分より10~15くらい上のちゃんとした服を着たおっさん、おばさん、が多い。
自分もその中で座っている。
居心地が悪い。

どのアスペクトから見てもとても安全な場所にいるやつら、椅子に座って高価なYoshi’sの寿司を食いAsahiビールを飲みながら、ステージに南部アクセントでヤイヤイと叫んでいる。むかむかして、心地がこの上なく悪い。ここじゃだめだと思って、席を立った。

Yoshi’sは基本的に席付のハコ。いい席は全部予約席。このシステムも長時間並んで入った自分はとても屈辱的に感じたんだけど、通路は結構広めにとってあるので後ろの人らに迷惑にならずに立つスペースはある。
みんな座っているなか立っているのは自分だけだったが、仕方あるまい。
せっかく立っているので、身体を動かしてみた。

そしたらわかった。

踊らなきゃわからなかった。
周りを気にせず身体を揺らし続けた。どんどん激しく。
ピアノが跳ねている。ギターがそれを引き裂く。オルガンが空気を揺らす。ドラムが内臓を叩く。トロンボーンが包み込む。そしてあのDr. Johnの声だ。
気持ちがよすぎる。
気がついたら自分の周りに20人近くがピンクのウィッグをつけた人、ビーズを首にかけている人たちが一心不乱に踊っていた。
やっぱこうじゃなきゃ。
今夜はMardi Grasだ。お祭り騒ぎしなきゃ嘘だ。




あとはもうすべてどうにでもなれで、ショーが終わるまで踊り続けた。
やっぱ身体に来ないといかん。
Zigabooの時と同じだった。
踊り続けてあっという間に終わった。
理屈はいらない。言葉もいらない。
身体で音楽を感じられた90分だった。

んー彼らはやる気がないのではなかった。
まず、がっちがちの本気でステージやっていては、それがオーディエンスに伝わってしまう。それじゃ踊れない。
それにみんなとても上手なので本気になる必要もないのだ。まるでまばたきをするような自然な感じでスラップベースをやる。朝めし前なので、本気になる必要がないだけなのだ。それが限りなく「てきとう」に見えただけだった。

恐れ入れました。
ひれふしました。 

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